グランドセイコーの最新のUS限定モデルは、季節を俳句のように繊細に表現した。
我々が知っていること
グランドセイコーの文字盤デザインは、季節のさまざまな表情を捉えることが重要な特徴になったようだ。日本では、季節の移り変わりを繊細なニュアンスで表現する。四季の移り変わりに加えて、天候や季節が変化する瞬間を、まさにピンポイントでとらえることもある。それらは二十四節気と呼ばれるものだ。そしてこれらはさらに、1年を構成する72の明確な七十二候に分けることもできる。
本日はそれを見事に表現したふたつの新作時計、秋の初霜が降りる時期にちなんだ"霜降"(そうこう)をご紹介しよう。ひとつはハイビート、もうひとつはスプリングドライブで、それぞれ、嵐山の有名な竹林の初霜を連想させる、氷のような青いテクスチャーのダイヤルを備えた、アメリカ市場向けの特別モデルだ。
このペアは、以前のスペシャルモデル、SBGA427、SBGA429に続くものであり、秋の深まりとともに霜が降りた日本の古都と、その竹林に敬意を表した特別なモデルだった。
今回ご紹介する2本のうちSBGA471は、角ばった44GSのケースデザインを採用しているが、これは半世紀以上前に遡るグランドセイコーのクラシックデザインである。ドイツ・サラズ(Sallaz)社の同名の加工機械で行われていた技術にちなんで名付けられた、ザラツ研磨によるフラットなポリッシュ仕上げの表面は、グランドセイコーのスタイルを体現していると言えるだろう。
内部には、極めて滑らかなスイープ針と月差±15秒の精度を誇る、現代時計製造における正真正銘のイノベーションのひとつであるスプリングドライブムーブメントを搭載する。クォーツに匹敵する精度と、機械式時計が持つ巻き上げの容易さ、そして洗練された機能を、日本以外のどの国でも作られることのないパッケージで実現したのだ。
USスペシャルの霜降モデルのもうひとつは、SBGH295だ。こちらもグランドセイコーのスペシャリティである3万6000振動/時のハイビート自動巻きムーブメントを搭載。どちらも直径40mmと非常につけやすく、ステンレススティール製ブレスレットでスポーティに仕上げられている。